博多は古来より商売や政治の中心地として多くの人が集まる土地であり、そのため歴史ある寺社仏閣が数多くあります。
そのうちの1つである妙典寺は柳川から移転してきた歴史をもつ寺院です。
どんなお寺か気になりますよね。
この記事では妙典寺についてくわしくご紹介します。
御朱印についてもお伝えしますので、参拝の参考にどうぞ。
妙典寺の歴史
妙典寺(みょうてんじ)は日蓮宗のお寺です。山号は「瑞祥松林山」です。
ご本尊は十界曼荼羅です。
1381年に柳川の地に創建されました。
慶長年間(1596~1615年)に地元の有力者であった立花宗茂氏の家臣である薦野増時氏によって福岡市博多区に移転しました。
その後、立花家と薦野家の菩提寺として一族の崇拝を受けます。
また日蓮宗の博多における最初の道場として多くの信徒が訪れました。
現在の本堂は1785年に造営されたものです。
福岡市内が広範囲に被害を受けた太平洋戦争時の空襲の被害も奇跡的に受けずに済みました。
子育てを守護する山田子育て地蔵尊や水を司る龍神さまなどが安置されています。
さらに妙典寺の境内は毎年11月に開催される博多ライトアップウォークでは山門から本堂までがライトアップされます。
普段は入山料は必要ありませんが、博多ライトアップウォーク期間中の夜の拝観には観覧券が必要になります。
観覧券の前売り券は例年9月頃から販売され、当日券もあります。
ご本尊の十界曼荼羅とは何か
妙典寺のご本尊は十界曼荼羅です。
十界曼荼羅とは十界にあまねく坐す諸仏や諸神を配置した絵画を指します。
ただの図ではなく、法華経の世界観を図で、時には梵字や漢字で表現したものです。
十界とは地獄もあれば仏の住む世界もあり、仏の広大な世界観を示すものです。
民衆にも分かりやすく仏教の世界観を教えるために用いられることが多く、「生前の心がけで死後、どの世界に送られるか分かる」というメリットがあります。
仏像や曼荼羅によって、人々の信仰を支えてきたわけです。
妙典寺は石城問答の舞台
1603年、妙典寺で妙覚寺(京都府)の僧侶・日忠とキリスト教の宣教師(イルマン)である旧沢らが宗教に関する論説を戦わせます。
博多で行われたため、「石城問答」と呼ばれたこの出来事で、日忠は勝利します。
その褒美として福岡藩初代藩主の黒田長政はキリスト教会から没収した土地を与え、勝立寺(福岡市中央区)が創建されました。
妙典寺の御朱印
妙典寺では1種類の御朱印が頂けます。
「石城問答霊場」の文字が入ります。
初穂料は300円です。
寺務所で頂くことができます。
博多ライトアップウォーク期間中は御朱印に記載される文字が若干変わります。
毎回大人気で御朱印を頂くための長蛇の列ができますので、時間に余裕を持って参拝に出かけましょう。
期間中は書き置きを頂くこともできます。
妙典寺オリジナルデザインの御朱印帳は現在のところありません。
アクセス方法
妙典寺には参拝者専用の駐車場がありません。
車で参拝する場合は、周辺のコインパーキングをご利用下さい。
公共交通機関を利用する場合、福岡市営地下鉄箱崎線だと「呉服町駅」下車、徒歩で約3分です。
西鉄バスを利用する場合は「蓮池」バス停で下車し、すぐ目の前です。
まとめ
妙典寺についてご紹介しました。
柳川で創建されたお寺ですが、博多の有力者の菩提寺として16世紀頃に現在の場所へと移転してきました。
浄土宗の道場として多くの人々がこの地で修行を行ってきたパワースポットです。
御朱印を頂くこともできます。
11月にはライトアップが行われ、いつもと異なる幽玄の表情を見せる妙典寺に参拝することができます。
ぜひ機会があればお出かけ下さい。
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