福岡を代表する夏のお祀り、博多祇園山笠では櫛田神社・東長寺・承天寺の三ヶ所を巡ります。
いずれも山笠を語る上で欠かせない場所ですが、承天寺は中でも山笠発祥の地として知られます。
その他にも様々な文化がこのお寺からはじまり日本各地へと波及していったのです。
どんなお寺か気になりますよね。
この記事ではそんな承天寺についてくわしくご紹介します。
博多千年門・庭・御朱印など見どころ盛りだくさんです。
参拝の前にご覧下さい。
承天寺の歴史
承天寺(じょうてんじ)は臨済宗のお寺です。
山号は萬松山です。
1241年に創建されました。
開基は円爾(聖一国師)です。
創建の際には中国(宋)の商人からも寄進がありました。
1243年には勅願寺となり数多くの塔頭を従えますが、その後は衰えていきます。
そして1963年には博多駅の移転に伴い区画整理が行われ、市道によって広大な敷地は分断されることとなります。
それでも境内には様々な記念碑や多くの美術品、歴史史料を収蔵し多くの人々が参拝に訪れています。
承天寺の見どころ
承天寺にはさまざまな見どころがあります。
参拝したら見逃せないポイントについてお伝えします。
石庭「洗濤庭」
方丈前に作られた枯山水の庭です。
普段は公開されていませんが、イベント事などがあると公開されていますので、見るチャンスはあります。
白砂は玄界灘を表現し、福岡ならではの光景が枯山水の庭の中に再現されています。
また毎年秋に行われているイベント「博多ライトアップウォーク」ではこの枯山水の石庭がライトアップされ、人気を集めています。
承天寺は入山料は必要ありませんが、博多ライトアップウォークは観覧料が必要となります。
観覧券は前売り券もありますので、日程が発表される9月頃には各お寺のホームページのチェックをしておきましょう。
博多千年門
2014年に完成した四脚門です。
古代、博多に鎮座していたと古文書の中にその存在が確認できる「辻堂口門」(つじのどうぐちもん)をモデルに造営されました。
高さが8メートルあります。
その名称が示すとおり、博多の町が千年にわたって繁栄しますようにという願いを込めて作られた門です。
承天寺にはたくさんの「発祥」が詰まっている
承天寺には色々なものの発祥の地といわれています。
どんなものが生まれたのか見ていきましょう。
うどん
承天寺の境内には「饂飩蕎麦発祥之地」の石碑があります。
承天寺の開基である円爾は1241年に宋への留学を終え帰国します。
その際、様々な文化を日本国内に持ち込みましたが、その1つが現在でも日本人に愛されている食べ物「うどん」です。
うどん以外にも、まんじゅうやようかん、そうめん、そばなど様々な食べ物の製法を持ち帰りました。
うどん以外にも「御饅頭所」の石碑 が敷地内には鎮座しています。
円爾が持ち帰ったのは「水磨」と呼ばれる製粉技術で、水車を利用して穀物を粉にする方法です。
この技術が日本に伝わったことで様々な食べ物の選択肢が増え、飢饉が起きても命を救われる人が増えたのです。
山笠
福岡の夏を代表する祭り、博多祇園山笠の発祥の地でもあります。
1241年のこと、博多の町に疫病が流行ります。
円爾を施餓鬼棚に担いで町中を練り歩き、聖水を振りまき疫病の降伏を祈願したのが博多祇園山笠のはじまりだといわれています。
櫛田神社を中心に行われるお祭りではあるものの、現在でも7月の博多祇園山笠の時には承天寺の前に清道がつくられ山笠が巡るようになっています。
承天寺の御朱印
承天寺の御朱印は1種類です。
「釈迦三尊佛」の墨書きが入ります。
初穂料は300円です。
御朱印は寺務所で頂くことができます。
受付時間は9:00~17:00です。
承天寺オリジナルデザインの御朱印帳は現在のところありません。
アクセス方法
承天寺には参拝者専用の駐車場がありません。
車で参拝する場合は、周辺のコインパーキングを利用しましょう。
公共交通機関を利用する場合、福岡市地下鉄空港線だと「祇園駅」下車、徒歩で約3分です。
JR博多駅からは徒歩で約10分です。
まとめ
承天寺についてご紹介しました。
承天寺の開基である円爾は日本にうどんや蕎麦、饅頭など様々な食べ物の製法をもたらしたと言われており承天寺はいろんなものの発祥の石碑が並んでいます。
また円爾は博多祇園山笠のはじまりともいえる行動をとった人物としても知られています。
周辺にはうどん屋さんも数多く建ち並んでるエリアですので、福岡のうどんを楽しみつつ歴史について想いを馳せてみてはいかがでしょうか。
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